瑠璃のような深く美しい青の地に、細やかな鹿の子が連なる波のような幾何学模様と、水面にただよう花びらのようなドット模様が染め出された、有松鳴海絞りと思われる本絞りの浴衣です。
絞りが生み出す繊細なドットが形作る自然なゆらぎのある抽象デザインが想像力をかきたて、宮沢賢治のやまなしのなかの、「泡と一緒いっしょに、白い樺の花びらが天井をたくさんすべって来ました・・・光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、花びらの影はしずかに砂をすべりました。」という幻想的な一景を思わせるような物語豊かな装いを作り出してくれそうです。
おそらく有松鳴海絞と思われ、ふっくらとした絞り独特の味わいと、のびがよく身体のラインに綺麗に添う着心地の良さと着姿の美しさに魅了されるとっておきの一枚です。
さらっとした手触りの、ふわりとやわらかな綿地です。
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。