未明の空のようなほのかに紫がかったブルーグレーの地に、おぼろに霞がかかった森のような樹木模様が染め出された正絹縮緬の名古屋帯です。
憂いをおびた美しい色合いの樹木模様の帯は、雪輪文様や霰文様の着物にあわせて冬木立の風情を楽しんでも素敵ですし、季節の花の帯をあわせて四季折々の森の景色を演出したり、鹿や栗鼠、小鳥のブローチや帯留めをあしらったり、モチーフの組み合わせも楽しく、物語豊かなコーディネートを作り出してくれそうです。
「京百景 北山杉」と思われる銘と落款がはいっており、かすみ立ち込める北山の里に立ち並ぶ杉の清々しい美しさを感じさせてくれます。
ざらっとした手触りの、はっきりとしたシボとマットで上品なツヤ感のでた張りがありますがしなやかな生地で、正絹縮緬と思われます。