深みのある紅色に近い濃桃色地に、風に吹かれ流れる雲のような、ふわりとただよう霞ような抽象パターンが織り出された、さっぱりとした夏向きの開き名古屋帯です。
雨雲のような藍鉄色、薄雲鼠、彩雲のような綺麗色で織り上げられた帯状の抽象パターンは、光や風によって刻一刻と姿を変える雲のような自然の美しさを感じさせてくれ、シンプルなデザインの中に物語の広がりを感じる特別な魅力ある一本となっています。
ざらっとした手触りの、紬のような節感のある、ざっくりと目が粗めに織り出されたさっぱりとした涼感のある織り地で、光の加減でうっすらと透けます。経糸は絹、横糸は綿の交織と思われます。
肌離れのよいしゃきっとした張りのある涼しげな生地で、単の季節の装いにもぴったりですし、夏にもよさそうで、5月から10月くらいまで気候にあわせて楽しんでいただけそうです。
手先のみかがられた、開き名古屋帯(松葉仕立ての八寸帯)で、タレ部分は折り返して二重になっており、胴に巻く部分は単になっていて、芯無しの仕立てです。
半幅部分の幅が調節できるので、幅広に締めてレトロな雰囲気で着こなしたり、コーディネートの幅が広がります。
タレの両脇はかがられていませんが、昔の八寸帯にはよくある仕立てで、このままで問題なくお使いいただけます。