スモークがかったおだやかで渋みのある朱赤色地に、花や壺で飾られた美しい方形の装飾の中に楽しげに踊る恋人どうしのような人物があしらったコプト文様が織りだされた開き名古屋帯です。
ギリシア神話、ヘレニズム文化、キリスト教文化などさまざま文化がいりまじったコプト時代の人物舞踏図綴織方布にインスパイアされたデザインが、遠い異国や古代へのロマンをかきたて、物語豊かな装いを作り出してくれます。
棟方志功の版画を思わせる、おおらかなタッチと豊かな色使いが、心をゆさぶるような独特の魅力を生み出しています。
胴前は刺繍リボンのようなストライプ状の装飾模様が織りだされたすっきりとしたデザインなので、個性的ですがとても着こなしやすいのもうれしいポイントです。
ざらっとした手触りの、ほどよい張りと硬さがありますがしなやかな生地で、絹化繊の混紡かと思われます。
手先のみかがられた、開き名古屋帯(松葉仕立ての八寸帯)で、タレ部分は折り返して二重になっており、胴に巻く部分は単になっていて、芯無しの仕立てです。
半幅部分の幅が調節できるので、幅広に締めてレトロな雰囲気で着こなしたり、コーディネートの幅が広がります。