くれないの薄染めのような、ややくすんだ優しい薄紅色地に、霞たなびく山野の風景を思わせる白花色、白鼠、灰青、銀鼠、枡花鼠色のおだやかな色の重なりを背景にして、優しく色づく草花や花枝の文様が染め出された正絹袷の訪問着です。
あさぼらけの空の下、野の草花が風に揺れ、樹木を彩る花の香りがふわりととどく丘の上から、霞がかかった山並みを遥かに見渡すような叙情豊かな風景が思い浮かぶ美しい装いを作り出してくれそうです。
八掛けにもさりげなく一輪の野の花があしらわれていて素敵です。
一枚の絵のようにドラマチックに文様が広がり、衿でも柄継ぎがされた訪問着と思われるお着物ですが、袖や肩などは付下げに近いすっきりとしたデザインになっており、結婚式やお子様の卒入学式、七五三などのフォーマルシーンやパーティースタイルなど幅広く活躍してくれそうです。
(フォーマルな場でのお着物や帯については、多少のダメージのあるリサイクル着物ということもあり、地域やお家によってもふさわしいとされる装いが変わってきますので、ご購入前に一度ご親戚の方などにご確認されることをオススメします)
記名と思われる文字と、二代目清次郎の銘が入っています。
さらりとした手触りの、細やかなシボとマットで上品なツヤ感のでたしなやかな正絹縮緬地です。
エリは広衿です。