夜の帳を思わせる黒と鼠色の縞と麻の葉に、短冊揺れる桜の花枝と、平安絵巻から抜け出してきたような器物文様が染め重ねられた風雅な詩情ただよう正絹袷着物です。
風がそっと花びらを舞い上げ、和歌をちらした短冊がゆらりと揺れる風情あふれる桜模様と、檜扇や貝合せ、香炉、冊子、厨子棚などの器物文様に楓や梅、南天、菊花などの四季を彩る草花をあしらった古典文様を美しいバランスで組み合わせたデザインが心をうばわれるように美しく、香炉から漂う薫りや、どこからともなく響く笛の音が、源氏物語の世界へと誘う、雅やかな装いを叶えてくれます。
さらりとした手触りの、細やかな地紋と上品な光沢のでたしなやかな生地で、正絹と思われます。
エリは広衿です。