紅花で淡くそめあげたような優しい薄紅色に、きりりと粋な縞と、蝶や燕の絣模様がデザインされた、綿化繊混紡と思われる上布風の浴衣兼夏着物です。
すっきりとした繊細なラインで表現された縞に、絣模様ならではのかすれたような優しいタッチが心地よい蝶々や鳥、霞模様が重ねられたデザインは、ノスタルジックな愛らしさを楽しみつつも子供っぽくならず、風雅でいて気取りすぎず、竹久夢二や高畠華宵の描く挿画の世界にも似た叙情的な物語を軽やかな自然体のムードで身にまとう魅力的なコーディネートを作り出してくれそうです。
絣織り風のデザインですが織りではなく染めです。
ざらっとした手触りの、張りとシャリ感のでた、細かな織り模様浮かぶドビー織りを思わせるような変わり織りの生地で、上布や夏絣などを模して昭和中期に開発された綿化繊混紡の夏向けの素材と思われます。ざっくりと目が粗めに織り出された薄手の生地のため、透け感があります。
浴衣としても夏着物としてもお使いになっていただける素材ですが、透け感がありますので、浴衣として一枚でお召しになっていただく場合は、浴衣スリップなどを中に着てください。紗や絽ほどは透けないため、5月から9月くらいまで浴衣、夏着物、単着物として3wayでロングシーズン楽しんでいただけそうです。
綿化繊混紡の夏素材の魅力について特集ページ「単着物・夏着物・浴衣3WAY ビンテージの夏素材に注目!」でもご紹介中です。ぜひご覧ください。
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。身幅がやや広めのワイドサイズのお着物です。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。