針水晶のような繊細な線描を重ね合わせた抽象パターンに、凛と枝を伸ばす松の立ち姿美しい幽玄な風景模様が染め出された正絹付け下げ訪問着です。
霧にかすんだような樹林を遠景に、わびさびの詩情ただよう木々のたたずまいを中景に、松ぼっくりが揺れる枝ぶり風雅な松を近景にした風景を、水墨画を思わせる静謐なモノクロームに陽光のような古金色をそっと差し入れた静謐な色選びで染め上げた一枚は、端正な気品の中にきりりと芯の通った美しさを感じる大人の魅力引き立つ装いを作り出してくれそうです。
八掛けにも松の枝葉が洒脱な筆致で染められており、細かなところにも遊び心を感じる逸品です。
さらりとした手触りの、こまやかなシボのでたほどよい張りのあるしなやかな生地で正絹縮緬と思われます。
エリは広衿です。