紺色地に、秋海棠(シュウカイドウ)のように楚々と咲く花が染め出されたビンテージの注染浴衣です。
瓔珞草ともよばれ、ゆらりと揺れる珠飾りにも例えられる可憐な花姿が、紺色の余白を活かしたすっきりとした構図で染め出された一枚は、大正・昭和の詩集の挿絵のようなノスタルジックな物語と叙情を感じさせてくれ、愛らしさの中にもどこか憂いをおびた、しみじみと味わい深い浴衣姿を作り出してくれそうです。
ろうけつ染を思わせる繊細な氷割れ模様が涼やかな詩情を高めてくれています。
さらっとした手触りの、昔の浴衣ならではのしっかりめの綿地で、何回か水をくぐってこなれた風合いがありますが、お召しになっていても生地がよれっとなりにくく、お洗濯をしてもくたっとなりにくいので、長くご愛用いただけそうです。
裏までしっかり染料が通っており、昔ながらの注染の手法で染められていると思われ、自然な揺らぎのある染めのタッチや色のぼかしも味わい深く、風にひらりとかえるスソやタモトにも風情を感じさせてくれます。
注染浴衣の魅力については下記の特集ページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
注染レトロ浴衣のすすめ
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。