重なり合う牡丹と、風雅な楓の模様が描き出された大胆な斜め格子に、はらりと風に舞い降りる木の葉のモチーフが染め重ねられた、綿地のアンティーク長羽織です。
背景の斜め格子は、繊細なラインで描き出されたあでやかな牡丹の花の総模様と、木漏れ日を透かす枝葉をみあげたようにも見える紺の余白を生かした楓模様、細やかな縞が水面に映る葉影のような詩的な情趣を生み出す楓模様の、3つのパターンを組み合わせた凝ったデザインです。
木の葉の模様は、鹿の子模様で飾られた装飾的なモチーフに、細やかな葉脈が描かれた写実的なモチーフを重ねることで、影のような立体感と、ひらりと風にひるがえるような動きを生み出しています。
アンティークならではのこだわりと、特別な存在感のある、見惚れるような一枚です。
羽織裏は、鮮やかな緋色地に、敷松葉と思われる総模様と、優しい彩りの八重菊が染め出されていて、落ち着いた色味の表地とのコントラストの美しさも格別です。
さらりとした手触りの、わずかに節感のあるしなやかでやわらかな生地で、古い時代の綿と思われます。
羽織コーデの魅力につきましては、こちらの特集ページでご紹介しております。ぜひご覧ください ≫羽織で楽しむ重ね着コーデ