若葉に置いた朝露が光を透かすような透明感のある淡い緑の地に、まろやかな丘陵に佇む鹿のモチーフが織り出された絹麻の混紡と思われる夏向けの開き名古屋帯です。
風に揺れるみずみずしい緑の丘で遊ぶ優美な鹿のさわやかな姿が思い浮かぶ一本は、控えめな中に物語の広がりを感じる魅力的なコーディネートを作り出してくれそうです。
ざらっとした手触りの、ざっくりと目が粗めに織り出された、素朴な節感としゃきっとした張りと硬さがありますがしなやかな織り地で、絹と麻の混紡と思われますが、若干化繊が混紡されているかもしれません。さっぱりとした肌離れや風通しのよい生地で、夏向けのアイテムと覆われますが、絽や紗ほどは透けないので、5月くらいから9月くらいまで気候にあわせて長く楽しんでいただけそうです。
手先のみかがられた、開き名古屋帯(松葉仕立ての八寸帯)で、タレ部分は折り返して二重になっており、胴に巻く部分は単になっていて、芯無しの仕立てです。
半幅部分の幅が調節できるので、幅広に締めてレトロな雰囲気で着こなしたり、コーディネートの幅が広がります。
タレの両脇はかがられていませんが、昔の八寸帯にはよくある仕立てで、このままで問題なくお使いいただけます。