水浅葱を思わせる深い緑青色の美しいぼかしに、光さしこむ小川の底でせせらぎに洗われたまろやかな小石や、シーグラス、繊細な模様で彩られた貝などがほの青くきらめくような静かで美しいモチーフが染めだされた、袷の付け下げ訪問着です。
「小さな川の底を写した、2枚の青い幻灯です。」ではじまる宮沢賢治の「やまなし」の世界を身にまとうような、幻想的で叙情豊かな装いを作り出してくれそうです。
「峰彩」の落款がはいっており、京友禅作家の坂東峰彩のものではないかと思われます。
さらりとした手触りの、細やかなシボとマットで上品な光沢のでたしなやかな生地で、正絹縮緬と思われます。
付け下げのような余白を生かしたすっきりとしたデザインですが、衿でも柄継ぎがされており、訪問着として作られたものかもしれません。おめかししたお出かけ着からドレスアップスタイル、フォーマルまで幅広く活躍してくれそうです。
(フォーマルな場でのお着物や帯については、多少のダメージのあるリサイクル着物ということもあり、地域やお家によってもふさわしいとされる装いが変わってきますので、ご購入前に一度ご親戚の方などにご確認されることをおすすめします)
光の加減で色味が異なり、青みが強く見えたり緑みが強く見えたり、ぐっと沈んで暗い色みに見えたりします。
エリは広衿です。丈が長く前幅が広めな、トールサイズ、ワイドサイズのお着物です。