スモークがかったパステル調の柔らかなトーンで織りだされたリズミカルなボーダーに、優美な草花の装飾模様があしらわれた市松のようなデザインが重ねられた正絹紬の単着物です。
四角いモチーフとボーダーが重なる所では、ボーダーの色調が美しく変化し、繊細な色の移ろいが、デザイン全体にふんわりとした陰影を与えて、軽やかでありながらも深みのある表情をつくり出しています。
幾何学模様とボタニカルデザインが重なるアーティスティックな個性と、アッシュカラーの品の良い優しい雰囲気、絣模様ならではの心地よい風合いが美しく調和し、いつまでも眺めていたくなるような特別な魅力ある一枚となっています。
ざらっとした手触りの、張りと若干のシャリ感のあるさっぱりとした質感の、風合い豊かな節のでた正絹紬地です。
従来ですと5月から6月、9月から10月くらいにお召しになることが多かった正絹紬の単着物ですが、暑い時期が長くなっている近年では、普段着として1年を通してお召しになる方もおり、4月くらいから10月くらいまで盛夏をのぞいて長く楽しんでいただけるのではないかと思います。
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。