注染レトロ浴衣のすすめ
揺れる柳にどこからともなく聞こえてくる風鈴の音涼やかな夕涼み
幻想的な明かりにさそわれて夜店をめぐる宵祭のそぞろ歩き
夜空にあがる花火に見ほれる夏の夜
夏の日の思い出をよりいっそう風情豊かに盛り上げてくれるのは、なんといっても和の装い♪
昔ながらの注染の手法で表現されたレトロ浴衣は、さっぱりと涼やかで凛と美しく、大人の夏姿にぴったりなアイテムです。
「注染」の魅力
注染とは
注染とは、染料を注ぎ、表からと裏からの二度染めで染める伝統的な型染の技法です。
手仕事ならではの味わいのあるぼかしやにじみ、染の風合いが心地よく、裏と表両方にしっかりと染めがとおり、柄がでるのが特徴です。
手仕事ならでは風合い
優しい色のにじみやぼかしの美しさが格別で、季節の風情を高めてくれます。
裏までしっかり柄がでる
裏までしっかりと染まっているため、浴衣として用いると、ひらりと風にひるがえる裾や袂にも美しく柄が浮かび、涼やかな風情と上質な雰囲気を感じさせてくれます。
仕立の良さ
注染浴衣に代表される昔の浴衣は総手縫いまたは、手縫いと部分ミシンの併用のものがほとんどで、裾や袂など目につくところには縫い目が表にでないきちんとした仕立となっており、大人の浴衣姿を品良く仕上げてくれます。
丈夫で長持ち
注染染は手ぬぐいに用いられることから多いということからもわかるように染めの耐久性が高く、何度も洗濯しても色があせにくく、使いこむほどに色が落ち着き柔らかい風合いが増し、味が出ます。
布の伸縮性や通気性が保たれており、さっぱりとした着心地もバツグンです。また、注染に用いられる昔ならではの綿は、ほどよい張りがありとても丈夫で、汗をかいてもよれっとなりにくく、お洗濯をしてもくたっとならず、長くご愛用いただけます。
色柄様々あなただけの装いに
昔の注染の浴衣は、同じ色柄のものはほとんどないのもうれしいポイントで、あなただけの個性と物語を楽しんでいただけます。
大正・昭和の叙情豊かな浴衣姿
レトロ雑誌から抜け出してきたように
昭和中期のレトロ雑誌の浴衣姿は今見ても新鮮!帯締などの小物づかいもとても素敵です。
竹久夢二や中原淳一の挿画の風情を身にまとって
夢二の挿絵のような、白に藍映える朝顔らしき植物模様の浴衣に赤の帯が映える小粋かつ愛らしい装いや、モダンな幾何学模様に黒の帯をきりりとしめた大人のオシャレもレトロ浴衣ならでは。
(「竹久夢二のおしゃれ読本」2005年5月30日発行 編者:竹久夢二美術館 石川桂子 谷口朋子 河出書房新社 より)
中原淳一の挿絵の少女は、白藍赤のトリコロールカラーもモダンな青海波文様の浴衣に博多帯に帯揚げをあわせた少女らしい華やぎかおる装い♪
(「中原淳一 きもの読本」2005年3月9日発行 著者:中原淳一 編集:中原利加子 株式会社平凡社 より)
高畠華宵の叙情画の夏姿に思いを寄せて
華やかであでやかな中にもどこか憂いをおびた高畠華宵の抒情画の世界にも注染浴衣ならではの魅力がいっぱい♪浴衣反物のデザインも手がけた華宵の描く夏姿にうっとり。
(「高畠華宵 大正・昭和☆レトロビューティー」2004年1月8日発行 松本品子編 河出書房新社 より)