こっくりと深いバーガンディワインのようなブラウンがかった紫赤色の地に、晴れた空のような澄んだ青や霜がおりたような白とグレーときらめく金の糸で彩られた楓葉が、霞に浮かぶような幻想的なタッチで織りだされた紗の夏帯です。
おさえた中に深い趣を感じる色合いと、所々節の入った素朴な味わいのある生地感も味わい深く、薫風に揺れるみずみずしい青葉紅葉やあでやかに色づく錦繍の紅葉など、めぐる季節のその一時の美しさに思いをはせて風情豊かな装いを楽しんでいただける技ありの一本となっています。
ざらっとした手触りの、張りとシャリ感のある硬めですがしなやかな生地で、メッシュ状に透かし目のある紗地です。素材は化繊に若干麻が混紡されているかと思われます。
手先のみかがられた、開き名古屋帯(松葉仕立ての八寸帯)で、タレ部分は折り返して二重になっており、胴に巻く部分は単になっていて、芯無しの仕立てです。
半幅部分の幅が調節できるので、幅広に締めてレトロな雰囲気で着こなしたり、コーディネートの幅が広がります。
タレの両脇はかがられていませんが、昔の八寸帯にはよくある仕立てで、このままで問題なくお使いいただけます。