インディゴのような渋みのある落ち着いた濃藍の地に、牡丹唐草や七宝、鳥などの装飾模様で飾られた繊細で優雅な縞が染め出された、絹混紡の紬の単着物です。
ペルシアやギリシアの洗練された美意識を受け継ぎ、シルクロードを渡って日本に伝わった正倉院文様の流れを組むような秀麗で奥深い魅力のあるデザインがとても素敵です。
木版藍染を思わせるような味わい深い色味と、繊細な中に自然なゆらぎのあるタッチ、風合い豊かな紬地が心地よく、品格がありながらも自由で軽やかな魅力のある、こなれた大人の装いを作り出してくれます。
ややざらっとした手触りの、わずかにマットで上品なツヤ感のでた、ほどよい張りがありますが薄手でしなやかな生地で、紬のような節が一面にでています。おそらく絹に綿またはレーヨンやキュプラのような化繊が混紡されているのではないかと思われます。
従来ですと5月から6月、9月から10月くらいにお召しになることが多かった絹紬の単着物ですが、暑い時期が長くなっている近年では、4月くらいから10月くらいまで盛夏をのぞいて長く楽しんでいただけそうです。綿の着物にも似た質感なので、重ね着をして冬にお召しになる方もいらっしゃるかと思います。
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。