水面のような繊細なブルーの染め模様に、光が差し込むような透明感のあるきれい色の斜め縞が染め出された正絹の袷着物です。
宮沢賢治の『やまなし』の中の「日光の黄金は夢のように水の中に降って来ました。波から来る光の網が、底の白い磐の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。泡や小さなごみからはまっすぐな影かげの棒が、斜めに水の中に並ならんで立ちました。」という水底の風景を思わせるような幻想的な物語を紡ぎ出してくれそうです。
さらりとした手触りの、ごく細やかなシボと上品でマットなつや感のでたしなやかな生地で、正絹縮緬と思われます。
エリは広衿で仕立てはミシンと部分手縫いです。スソまわりやソデまわりなど着用時目につくところは手まつりです。