白茶や茅色のようなおだやかで味わい深いベージュ地に、飛沫をあげる勇壮な波や、優雅に枝を伸ばす楓のような蔦のような瑞々しい枝葉模様で彩られた扇の地紙文様が大胆に織りだされた絽の夏の袋帯帯です。
お太鼓には波と枝葉が、胴前には竹と観世水、枝葉がそれぞれ織りだされたポイント柄となっており、胴前は半分に折ったどちらを表に出すかで2パターンのデザインを楽しめるのも素敵です。
扇面の古びたような破れの意匠が、絵柄に古物の趣と侘び寂びの風情を添え、自然の美と文芸の知を兼ね備えた洒脱な装いを作り出してくれそうです。
ややざらっとした手触りの、シャリ感と張りのあるさっぱりとした生地で、横縞状に透かし目のある絽地で芯ありの仕立てです。素材は正絹と思われます。