紺地に白一色で染め出された雁のような繊細な鳥のモチーフが美しく連なり、渡り鳥が大空をわたる風情豊かな情景が描き出されたビンテージの注染浴衣です。
「雲の上に鳴くなる雁の遠けども君に逢はむとた廻り来つ」という万葉集の一首や、「さ夜中と夜は更けぬらし雁が音の聞こゆる空ゆ月渡る見ゆ」の古今和歌集の一首を思わせるような、雁の鳴く音がどこからともなく聞こえる叙情豊かな装いを作り出してくれそうです。
すっきりとした白抜きの柄が、紺地に映えて洗練された印象を生み出し、単色だからこそ際立つ、大人の粋な夏の装いを作り出してくれそうです。
秋の草花模様の帯をあわせて、月に兎の帯留をそえたり、めぐる季節にあわせて風雅な詩情を楽しんでいただけます。
さらっとした手触りの、昔の浴衣ならではのしっかりめの綿地で、何回か水をくぐってこなれた風合いがありますが、お召しになっていても生地がよれっとなりにくく、お洗濯をしてもくたっとなりにくいので、長くご愛用いただけそうです。
裏までしっかり染料が通っており、昔ながらの注染の手法で染められていると思われ、自然な揺らぎのある染めのタッチや色のぼかしも味わい深く、風にひらりとかえるスソやタモトにも風情を感じさせてくれます。
注染浴衣の魅力については下記の特集ページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
注染レトロ浴衣のすすめ
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。