光の加減や角度によって静謐なブルーカラーがほのかに浮かび上がって見えるシックなブラックに、月光をうけてきらめくように幻想的に織りだされた蔦葉模様がロマンチックな風通紗の薄羽織(夏羽織)です。
ふわりとただよう霞のような曲線や、葉の幾枚かは、レースのような涼やかな透かし模様になっていて、光や風を優しく透かし、軽やかな詩情を高めてくれています。
余白をいかし、裾にかけて柄が配された絵羽風のデザインも洗練されていて、幅広い色柄の着物や浴衣にマッチして、主張しすぎないのにふと目をひかれる確かな魅力のあるコーディネートをつくりだしてくれそうです。
表の黒の糸と裏の青の糸の二重構造で、糸と糸の間に隙間をあけて織られたメッシュ状に透かしめのある紗地です。上品な光沢のある、ほどよい張りがありますがしなやかな織地で、正絹と思われます。
春先や秋に袷着物に重ねて軽やかな重ね着コーデを楽しんでも素敵ですし、日中は暖かくても朝夕は肌寒さを感じることも多くなる季節のあいまの気温調整にも役に立ち、カーディガンのように楽しんでいただけるとても便利なアイテムです。コーディネートの幅も広がり、少し自信のない帯結びを隠したり、アンティーク着物のダメージ隠しにもなってくれます。また、夏にはクーラー冷え防止のアイテムとしても役に立ち、幅広いシーズンで活躍してくれる価値ある一枚です。
手縫い仕立てです。