セピアがかったしっとりと落ち着いた気品ただよう彩りで染め上げられた、古渡の更紗布を切嵌めたような装飾模様が幻想的で美しい、付下げ柄の正絹紬袷着物です。
古代文字のような幾何学的な装飾模様の袖や裾に、花アラベスク、花トレリス、花ストライプ、色とりどりの翼を広げる鳥などの繊細で優美な造形の中にファンタジックでエキゾチックな遊び心を感じせてくれるうっとりするような模様がパッチワークのようにあしらわれ、ひとつひとつの模様が海を超えた遠い異国やはるか昔の物語を伝えてくれるような、心ときめく一枚です。
切嵌(パッチワーク)ではなく、切嵌風の染めです。
さらりとした手触りの、マットで上品なツヤ感と、わずかに節感のでた、ほどよい張りがありますがふわりとやわらかくしなやか生地で、正絹紬と思われます。
おくみ線、脇縫い、背縫いで柄継ぎされ、裾まわりに一枚の絵のように柄が広がる付下げの柄つけですが、カジュアルな紬地ですので、フォーマル用ではなくおしゃれ着として楽しんでいただける一枚かと思います。
エリは広衿です。