時代を超えて受け継がれたビンテージの夏帯の意匠や素材の魅力を未来へつなぐ思いをこめて、今の暮らしに寄り添う絽の夏向けの半幅帯としてリメイクしました。
象牙色地の所々に、鼠色の紐で結わえられた、蛇籠や垣のような古典文様が清々しく織りだされ、閑静で品の良い佇まいを生み出しています。
紗地の中に、光を受けるたびにそっときらめく銀に涼やかに揺れる草葉文様を織りだした生地が芯地のようにしのばせてある紗袷のような凝った意匠になっており、蛇籠柄のない無地の部分からは、この隠された銀のきらめきや清々しい草葉模様が透けて見え、光の加減や帯の動きにあわせて幻想的に表情を変えて楽しんでいただけます。
菊花文様の夏着物にあわせて秋の野の涼を運んだり、流水文様の浴衣にあわせて、水辺の風景を演出しても素敵で、風雅で清涼感のある物語をまとう、品の良い夏の装いを作り出してくれそうです。
お太鼓柄の夏名古屋帯のリメイク品となり、片方の先から118cmほどの位置の両面に、もともとのお太鼓の柄、その柄からさらに70cmほど離れた位置の両面に、もともとの胴前の柄があります。長さもたっぷりとあるので、結び方によって、柄の出方が異なり、表情を変えてアレンジを楽しんでいただけます。
ざらっとした手触りの、張とシャリ感のある、さっぱりとした生地で、メッシュ状に透かし目のある紗地です。模様のある芯地(中生地)が使われているため、帯自体は透けません。熱がこもりにくく、暑さきびしい季節も心地よくお召しになっていただけそうです。
正絹地ですので、とても軽くてしなやかで、形も綺麗にきまり、気品のある大人の夏姿を作り出してくれます。