繊細な弧を描く一面の芝草に藍のぼかし美しい笹のような葉影が重ねられた草野原を渡る風を感じる涼やかな注染浴衣は、離れてみると、芝草模が軽やかに羽を広げる蝶々の姿を浮かび上がらせる美しいデザインとなっていて、夢見るような幻想的な物語を紡ぎ出してくれます。
背景には、ろうけつ染めを思わせるような柔らかな藍のにじみが生み出す、水面のような木漏れ日のような網目状の模様が染め出されていて、幾重にも重なる繊細な模様が、光のゆらめきや風のそよぎを感じるような、抒情豊かな装いを作り出してくれます。
さらっとした手触りの、昔の浴衣ならではのしっかりめの綿地で、何回か水をくぐってこなれた風合いがありますが、お召しになっていても生地がよれっとなりにくく、お洗濯をしてもくたっとなりにくいので、長くご愛用いただけそうです。
裏までしっかり染料が通っており、昔ながらの注染の手法で染められていると思われ、自然な揺らぎのある染めのタッチや色のぼかしも味わい深く、風にひらりとかえるスソやタモトにも風情を感じさせてくれます。
注染浴衣の魅力については下記の特集ページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
注染レトロ浴衣のすすめ
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。