古布をつなぎ合わせたような色と文様の重なりと、セピア調の彩りが美しいしょうざんウール単着物
- デザイン:青鈍色や錆青磁色、芥子色、弁柄茶、茶、枯色など、どこか愁いを帯びたスモーキーな色彩に、梅や松、鉄線などの草花、青海波や網代、格子、七宝などの繊細な古典文様を重ねた、更紗の古裂をパッチワークしたような味わい深いデザインが染め出された、しょうざんウールの単着物。色は細長いリボンを縦横に重ねたような直線的なブロックで切り替わり、その上を寄せ小紋のような細かな文様が、ゆらぎのある境目を描きながら次々と移り変わっていきます。ひとつの色の中をいくつもの文様が通り、ひとつの文様の途中でまた色が変わる、二つのリズムが幾層にも重なり、複雑で奥行きのある美しさを作り出しています。さらに、光の加減でふっと浮かび上がる地紋のような織模様が、布全体にさりげない陰影を添えています。
- 印象: 色数は多いのにどれも少しくすんだ落ち着いたトーンなので派手になりすぎず、深みのあるブラウンが全体を静かにまとめています。細かな総柄ですが、デザインに縦の流れがあるので、着用していただくとすっきりと見えるのも素敵です。古典柄の端正さと民芸調のあたたかさ、アートな遊び心が調和し、華やかというより、じわじわと惹かれる格好よさがあり、柄を楽しみたいけれど派手すぎるものは苦手、という方にもおすすめしたい一枚です。
- 素材・着用感:優美な地文様が織り出され、所々に節のある風合い豊かな生地。ウールに化繊やシルクを混紡することで毛羽立ちを抑え、耐久性を高めた高級ウール「しょうざんウール」と思われます。正絹紬とウールのいいとこ取りをしたような上質な風合いで、“ウールの女王”とも称される格別の着心地を楽しんでいただけます。
- 季節・シーン: 裏地のない軽やかな単仕立てですが、ウールなので真冬も暖か。暑さが落ち着いた初秋から春までスリーシーズン活躍。カジュアル向きのお着物ですが、シルクウールならではのさりげない光沢が美しく洗練された雰囲気があり、街歩きや旅行、美術館めぐりや気軽な食事会まで幅広く楽しんでいただけます。お手入れが簡単なので、雨の日のお出かけにもぴったりです。
- コーデ提案: 生成りやアイボリー、淡いベージュの帯を合わせると、複雑な柄をすっきり受け止めた軽やかな着こなしに。深いグリーンや焦茶、黒なら渋さを生かしてシックに、ボルドーやテラコッタ、くすんだブルーをあわせればヴィンテージ調にまとまります。帯締めや小物に紫や黄緑など少し意外な色を差すと、古典柄の中にモダンな遊びが生まれます。