紺と白の驟雨のような繊細な縞に、優美な流水の曲線が浮かび上がり、風にふわりと揺れる柳の葉と、風雅な唐草文様が染め重ねられたビンテージの注染浴衣です。
しだれ柳が風に揺れ、さっと降り出した雨が、唐傘にあたってぱらぱらと小気味良い音をたてるような風情豊かな一枚は、萩文様の夏帯にあわせて「秋萩の 花をば雨にぬらせども 君をばまして惜しとこそ思へ」という紀貫之の和歌に思いをはせたり、カエルの帯留めを添えて「柳に小野道風」の花札を模しても楽しく、物語豊かな装いを作り出してくれそうです。
さらっとした手触りの、昔の浴衣ならではのしっかりめの綿地で、何回か水をくぐってこなれた風合いがありますが、お召しになっていても生地がよれっとなりにくく、お洗濯をしてもくたっとなりにくいので、長くご愛用いただけそうです。
裏までしっかり染料が通っており、昔ながらの注染の手法で染められていると思われ、自然な揺らぎのある染めのタッチや色のぼかしも味わい深く、風にひらりとかえるスソやタモトにも風情を感じさせてくれます。
注染浴衣の魅力については下記の特集ページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
注染レトロ浴衣のすすめ
エリはバチ衿で仕立てはミシンと部分手縫いです。スソまわりやソデまわりなど着用時目につくところは手まつりです。丈や裄が長いトールサイズで、身幅の広いワイドサイズの浴衣です。