深みがありつつ鮮やかな青地に、優美な曲線を描く流水と、凛と咲く杜若が、繊細な筆致で染め出された、アンティークの正絹絽夏着物です。
花びらをひそやかに飾る銀彩が、陽の光がすっと差し込むようなはかなげで幻想的な詩情を生み出しています。
叙情豊かな流水杜若文様に、『伊勢物語』の名歌「からころも きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思う」の一首が重なり、叙情的な美を際立たせてくれます。
水の流れのように涼やかで、杜若の花のように楚々と美しい、夏景色にたおやかに映える着物姿を作り出してくれそうです。
さらりとした手触りの、上品な光沢のでた薄手のかろやかでしなやかな生地で、横縞状に透かしめのある絽地です。素材は正絹と思われます。
エリはバチ衿で手縫い仕立てです。
※手縫いかどうかについての判断は、スソまわりとソデまわり、ソデ付け、脇線の縫い目で確認しております。それ以外の部分ミシン縫いの場合は見逃しがあることがございますので、ご了承ください。